明神系鳥居 その3

今回は明神系鳥居の3回目。
基準となる明神鳥居と比べるとやや個性的な特徴をもつ鳥居を紹介したい。

まずは笠木の反り増しが大きく、島木と貫の間も広め、
額束の無い鳥居が宇佐鳥居(代表的神社:宇佐神宮)である。

次に、柱が笠木や貫に比べて非常に太く、
笠木の反り増しが両端部のみ跳ね上がるようになっており、
全体的に直線的なのが筥崎鳥居(代表的神社:筥崎神宮)である。
このタイプの鳥居は佐賀を中心に見受けられることから肥前鳥居とも呼ばれる。

また藁座のある明神鳥居の笠木の上に、合掌作りの装飾板が付いたのが
山王鳥居(代表的神社:日枝大社)である。
天台宗の影響の強い山王一実神道の神社に見られる鳥居である。

この装飾板が島木と貫の間にあるのが奴禰(ぬね)鳥居(代表的神社:錦天満宮)である。

明神系鳥居 その2

今回は基本となる明神鳥居とは少し差異のあるタイプを紹介したい。

何度も繰り返しになるが、鳥居の種類などは峻別しようとすれば、
それこそ鳥居ごとに異なるといっても過言ではないほど多種多様である。
あくまでもここで紹介しているのは似ているようなタイプを、
一まとめに大別したものに過ぎない。
その点をご理解の上読み進んでいただきたい。
つまり何を言いたいかというと、少々間違っていたとしても大目に見てね。

まずは明神鳥居と違い、反り増しが少なく笠木が直線の鳥居。
このタイプの鳥居は笠木と島木の切り口により二種類に分類される。

切り口が真っ直ぐ垂直に切り落とされているのが「春日鳥居」(代表的神社:春日大社)である。

それと違い、切り口が斜めになっているのが「八幡鳥居」である。

宮城野八幡宮小山須賀神社
八幡鳥居1八幡鳥居2


中には館林の富士嶽神社の鳥居のように片方の切り口は垂直、片方は斜めという変り種もある。

次に明神鳥居と違い、柱が四角形なのが「住吉鳥居」(代表的神社:住吉大社)である。
四角形の柱というのは非常に珍しく、ここだけと聞いたことある。

さらに、明神鳥居の足元に稚児柱と呼ばれる4本の補助柱が付属したのが
両部鳥居」(代表的神社:厳島神社)である。

八幡宮・香取神社高鳥天満宮
両部鳥居1両部鳥居2


明神系はどれも神仏習合色が強い神社に多くみうけられるが、
この両部鳥居は禅宗の影響を受けていると何かの資料で目にしたことがある。

明神系鳥居 その1

4ヶ月ほど間が開いてしまったが、
鳥居鑑賞の基礎知識となる鳥居の種類を解説を続けようと思う。

今回からは笠木の下に島木が付属した明神系鳥居の第1回。

だが、何度も書くように神社建築には、
神仏習合時代の影響が大きく関わっており、例外も非常に多い。
唯一の「正解」といえるようなものはない。
この鳥居の分類にしても、後世の人間(それこそ根岸とか)が、
後付で分類したものであり、バリエーションも非常に豊富である。
ここで紹介している特徴はあくまでも目安程度にお考え頂きたい。

まずは最も目にするといっても過言ではない「明神鳥居」。
これが一応スタンダードになるのでこのタイプから解説したい。

雷電神社二の鳥居雀神社一の鳥居
myoujin1.jpgmyoujin2.jpg


反り増しのついた笠木・島木にやや転びのついた柱。
足元には亀腹がある場合が多い。
そして島木と貫の間には額束がつけられ、
社名や神名の書かれた神額が掛かっていることもある。

この「明神鳥居」に台輪が取り付けられているのが、
稲荷鳥居」(台輪鳥居)である。

神田神社一二の鳥居稲荷神社
myoujin1.jpgmyoujin2.jpg


特に呼称の呼び分けはされていないが、稲荷神社の場合は「稲荷鳥居」、
そうでない神社の場合は「台輪鳥居」と呼ぶことが多いようである。

また、明神鳥居の貫が柱の部分で終わっているタイプの鳥居が、
中山鳥居」(代表的神社:中山神社)である。

神明系鳥居 その3

鳥居鑑賞の基礎知識となる鳥居の種類を解説。
今回は神明系鳥居の第3回。
これで神明系はラストになる。

だが、以前も書いたとおり、鳥居には「これが正解」という絶対的なルールはない。
例外も非常に多い。
ここで紹介している特徴はあくまでも大まかな目安でしかないことを確認しておく。

今回取り扱うのは貫が柱を突出しているタイプの神明系鳥居。

まずは笠木に斜めに切り落とした円柱を使用し、
柱の外側から長めの楔を柱を貫通するように打ち込んだタイプの鳥居が
鹿島鳥居」(代表的神社:鹿島神宮)である。

なお素木を鳥居に用いる場合、一般的には外から見て右側を根元にするが、
鹿島鳥居」ではこれを逆にする。

そしてラストの一つが、「鹿島鳥居」同様に貫が柱を突出し、
かつ楔が打ち込まれており、なおかつ額束がつけられている
宗忠鳥居」(代表的神社:宗忠神社)である。
額束は明神系の鳥居にはつけられることが多いが、
神明系ではこの「宗忠鳥居」だけである。

以上で神明系鳥居の解説を終えることにし、
次回からは明神系鳥居の解説に移ることにしたい。

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神明系鳥居 その2

鳥居を鑑賞する上での基礎知識となる鳥居の種類の解説。
今回は神明系鳥居の第2回。

前回は貫が円柱の素木鳥居などを紹介したが、
今回は貫が角柱で、柱から突出しないタイプの鳥居。
実は貫が円柱のタイプは前回紹介したタイプの鳥居だけで、
他は神明系・明神系を問わず貫は角柱である。

さて、まずは円柱の笠木・柱に角柱の貫のタイプの鳥居が、
このブログでも何度か紹介したことのある
靖国鳥居」(代表的神社:靖国神社)である。
非常にシンプルな鳥居で、明神鳥居とともによく見かけるタイプである。

また同じようなタイプだが笠木に円柱ではなく、
5角形の角柱を使っている鳥居もある。
これが「伊勢鳥居」(代表的神社:伊勢神宮)である。
伊勢鳥居は「伊勢神明鳥居」「神明鳥居」とも称し、
前回紹介した「神明鳥居」と混同されることもある。
この鳥居には他に柱の内側の貫に楔が打ち込まれていることも特徴の一つに挙げられる。

笠木だけでなく、柱も8角形の角柱で構成されるのが、
内宮源鳥居」(代表的神社:吉田神社大元宮)である。